今回は、ジヒドロテストステロン(DHT)が頭髪に与える影響とフィンペシア(フィナステリド)がなぜAGA(男性型脱毛症)に有効なのかを解説していきます。
ジヒドロテストステロン(DHT)とは?
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種で、別名で脱毛ホルモンとも呼ばれるAGA(男性型脱毛症)の原因とされる物質です。
このDHTはどうやって発生するかというと、5αリダクターゼ(還元酵素)が、これまた男性ホルモンの一種であるテストステロンに働きかけることで、ジヒドロテストステロン(DHT)が生成されます。
- 補足1:5αリダクターゼとは? 脱毛酵素とも呼ばれる還元酵素で、誰の体内でも生成されるが、分泌量には個人差がある。この5αリダクターゼの分泌が多い人ほどAGAが発症しやすい。また、5αリダクターゼには1型と2型がある。
- 補足2:テストステロンとは? 主に男性が男性でらしくあるための男性ホルモンで、性欲の増加・精子の形成・骨格筋の成長・などを促すホルモン。
この5αリダクターゼがテストステロンに働きかけるとジヒドロテストステロンが生成され脱毛が始まるので、5αリダクターゼを阻害してやることがAGA(男性型脱毛症)の治療とも言えます。
5αリダクターゼを阻害する方法
ジヒドロテストステロン(DHT)を生成する5αリダクターゼを阻害するのに有効な手段としてフィナステリド、デュタステリドの投与があります。
フィナステリドは、多くの脱毛症の原因である2型5αリダクターゼの阻害する作用があります。しかし、1型5αリダクターゼの阻害には作用しません。
デュタステリドは1型、2型5αリダクターゼの両方を阻害する作用があります。フィナステリドよりも作用が強く、2型5αリダクターゼをフィナステリドの3倍の量を阻害すると言われています。
一般的に知名度の高いフィナステリドを主成分とするAGA治療薬として、プロペシアがあります。(プロペシア(アメリカ版)1mg)
プロペシアはAGA(男性型脱毛症)の治療薬としてアメリカ食品医薬品局にも認可されており、日本でも2005年に厚生労働省に承認されています。
また、プロペシアのジェネリック医薬品も発売されており、海外輸入で通販することが可能です。その際は個人輸入代行を介して注文することとなります。
そのジェネリック医薬品の中でもフィンペシアは安価でAGA治療効果も高いとされていて人気のAGA治療薬です。(フィンペシア(Finpecia)1mg)
他にも、より安全を考慮されたキノリンイエローフリーのフィナステリドも発売されています。
脱毛症の中でも、1型5αリダクターゼの生成によって脱毛が起きている場合はデュタステリドを主成分とするデュタスというAGA治療薬が有効です。(デュタス(デュタステリド))
しかし、1型、2型のどちらの5αリダクターゼが自分に作用しているかは遺伝子検査をしなければわかりませんので、専門のクリニックでの検査を受ける必要があります。
また、自宅で自分で検査ができる検査キットも販売されていますので、病院で検査を受けたくない人はこの検査キットで調べることができます。
その他の5αリダクターゼを阻害する方法
他にも5αリダクターゼを阻害する手段として、サプリメントによるものがあります。やはり、フィナステリドよりは弱い抑制作用にはなりますが、AGA(男性型脱毛症)の初期症状のうちに始めると効果があるとも言われています。
治療薬に頼りたくないと言う人に人気のあるサプリメントをまとめましたので、こちらを参考にしてください。
フィナステリドを使用する上での注意事項
フィナステリドは脱毛の抑制が主な効果ですので、発毛する作用があるわけではありません。しかし、臨床データでは多くの服用者に発毛が認められているため、フィナステリドの作用で脱毛が抑制され、本来の発毛する力が取り戻せることを期待できます。
AGA(男性型脱毛症)に用いるフィナステリドは低容量ゆえ、副作用を引き起こすことは少ないとされていますが、1mgの服用でも、胃部の不快感や性欲の減退などの副作用が起こりうる可能性があります。
また、デュタステリドはフィナステリドよりも高容量ゆえ、副作用の影響を受けやすいので、使用の際は正しく服用するようにしてください。たくさん服用すれば効果が上がるわけではありません。
尚、フィナステリドは女性、未成年の服用はできません。女性が服用すると、妊娠時は胎児に副作用の影響が出て、生殖器に異常をきたす可能性があります。割れた錠剤を触るだけでも皮膚から成分を吸収するので取り扱いには注意が必要です。